本日の日経新聞にスターバックスの鳥取進出に関するニュースが出ていました。地域の商店は市場を取られてしまうのではないかと危惧していたようですが、今のところは共存共栄できているようです。
新店を出すということ
ある地域に新店を出すということは、その地域の市場に割って入り、既存店舗からシェアを奪うということになります。そのため、地域の商店は非常に警戒してきます。良いものを出せばお客さんが来てくれるから良いという考え方もありますが、その裏ではシェアを取られて窮地に陥る店舗があります。
新聞記事で紹介されていたスターバックスの場合は、元々の飲食店が駅北側に集積し、スターバックスは駐車場を確保できる南側に進出したということもあって棲み分けができているようです。また、地元の喫茶店が「鳥取珈琲文化振興会」を組織して、そちらはそちらで頑張って市場が活性化しているようです。
シェアを奪うか、市場を活性化させるか
スターバックスが単に安さが売り物の業態だったら、このような動きになったかは疑問です。駅の南側という飲食店が少ないエリアに出店し、市場を創り出したこと、スターバックスによってコーヒーを楽しむという価値観が生まれたことで、地域の喫茶店が珈琲文化を創り出そうという動きになったのだと思います。
単にシェアを奪うだけでは、何年か後に競合店が出店してきて、そこで追われてしまう立場になるかもしれません。特に、価格訴求型だと、更に周辺店舗の価格が下がれば苦しい立場になります。
家電量販店の繁栄と衰退の歴史を思い起こせば、あのモデルは店舗出店の余地が残っているか、人口が右肩上がりで市場が拡大するのが前提になっているように感じます。これからは高齢者以外の人口は減少していく一方ですので、既存のお店と異なる価値観を打ち出し、地域に受け入れられるようになっていかないと苦しいでしょう。
以前、フランチャイズの本部にいたときに、地域の代表的な都市については直営店を出し、それ以外の街にはフランチャイズを出店していました。千葉県で例えると、千葉市や船橋市などは直営ですが、木更津市や成田市はフランチャイズという具合です。
スターバックスには家でも会社でもない、サードプレイスであるという理念があり、私のようなフリーランスからは絶大な支持を受けています。机に積極的に電源を配置してくれているルノワールも同様です。こういった利用者目線の理念があり、これまでになかった新しいベネフィットを打ち出すことが、多店舗展開に必要ではないかと考えました。
あとがき
近所のTUTAYAにいつのまにかスターバックスが併設されていました。車でないと不便な場所ですが、いつか行ってみたいと思いました。