フランチャイズ加盟の原則③自分のやり方は持ち込まない

10月20日に大阪で「フランチャイズの基本と加盟のステップ」というテーマの講演をしました。講演の中で事例を紹介したらとても受けが良かったので、何回かに分けて事例を紹介していきます。

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ブログやSNSでの情報発信はご法度になることも

この写真は私の自作HP。フランチャイズに加盟すると、本部の了承無しでの情報発信はできないものと考えてください。フランチャイズは、本部が直営店を運営していて、その他の加盟店もそれぞれ店舗を運営しています。そこには、会社は違っても同じ事業をしているという関係があります。

そのため、加盟店それぞれが店舗PRをしようとホームページを立ち上げたり、独自にチラシを作ったりすることは禁じていることが多いです。そうでないと、利用者がチラシを持って隣の店舗に行ったりするからです。また、本部の方針とは異なった案内をしてしまうかもしれません。

 

店舗の運営方針も本部に従う

コンビニエンスストアであれば、お弁当やおにぎりを揃えて、売れ残りが発生してしまうかもしれません。「20%割引」「半額」など、価格を下げる「見切り販売」を行ってさばいてしまおうと考えられるかもしれませんが、コンビニエンスストア本部は価格を店舗が修正することを禁じています。定価のまま粛々と販売して、賞味期限を切れたら廃棄処分するのが原則です。中には地域で活動されている団体と提携して安価で引き取ってもらうケースもあるかもしれませんが、一般の来店客には定価で売らないといけません。

一部の店舗が見切り販売を始めると、お客様が見切り販売をしている店舗を巡って、定価で販売しているお弁当が売れなくなってしまいます。本部は全体の利益を考え、一部加盟店だけの利益を考えることができないので、店舗単位での独自取組は認めていません。

 

自分で創意工夫するならFCには加盟しない

今では個人でもブログを立ち上げたり、フェイスブックなどで情報発信することが簡単になってきました。私のこのサイトも自分で作っています。インターネットを使って、他の地域の方と提携して商売することのハードルも下がってきています。

ですので、集客や商品作りの手間を惜しまずに取り組んでいきたいと考えているのであれば、フランチャイズはお勧めしません。フランチャイズは、本部が培ってきたノウハウ通りに、本部の直営店と同じ条件で商売する方に向いています。

ただ、環境の変化も激しいですので、いつも本部が正しいわけではありません。現場で起こっている事を元に本部のSV(経営指導員)と密にコミュニケーションを取って、チェーン全体のオペレーションを本部と一緒に変えていく位でないと大きく成功することはできないでしょう。

 

フランチャイズは本部の指導に従わないとなりませんが、受け身ではなく、チェーン全体の利益を考えながら本部も自分も儲かるように行動することが求められます。本部にロイヤルティを払い、チェーン加盟店としての商売ですので大もうけすることはできませんが、違う業態の店舗を開業するなど、将来の成長戦略を描きながらフランチャイズを活用すると良いと考えます。

 

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私、山下哲博は資金調達サポートとフランチャイズを専門分野とする小規模事業者のビジネスサポーターです。企業の成長戦略をサポートすることで、地域にビジネスの芽が定着できるようお手伝いしています。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

あとがき

大阪から苦労して持って帰ったFC本部のチラシを全てスキャンしました。紙袋1袋まるまるあって、良い紙を使っているので非常に重たかったのですが、スキャンすると35の本部で、データ量は100メガほどでクラウドに収納しました。これでパソコンでいつでも確認することができるようになりました。

私が使っているのはscansnap。とても便利です。