自分のビジネスが経営革新等支援機関に認定される予定ですので、今後、経営革新改革や経営改善計画を策定して、資金調達のお手伝いのお仕事を増やしていきます。その前準備として自分自身が銀行からお金を借りてみることにしました。
日本政策金融公庫は中小企業・小規模事業者にやさしい
日本政策金融公庫(以下、公庫とします)は中小企業・小規模事業者のための政策金融機関です。従って、小規模な個人事業主でもお金を借りやすいのです。日本国内の中小企業は約385万社なのですが、公庫は約91万社に融資している実績があります。全体の4分の1弱といったところで、実に多くの会社がお世話になっていることが分かります。中小企業といっても、自分のように借金しなくてもやっていける事業もありますので、お金を必要とする事業者の多くが公庫から借りていることが伺えます。
士業がお金を借りる理由
士業であれば、人を雇ったり事務所を借りたりしない限りは「小さく始める」ことができます。自分はかれこれ7年間の間、いろいろなお客様にお世話をしていただきながら、身の丈に合わせて仕事をしてきました。
これまでの仕事は、中小企業診断士という資格を持っていること、これまでにしてきた仕事の内容が評価されて、フリーランスとしてこの位できるだろうという評価に基づくものでした。すなわち、コンサルタントのプロジェクトに欠員が出た、リサーチの業務をすぐに出来る人がいないか等、必要な仕事に当てはまるスペックの人がいないか探されて、自分が空いているのでその仕事に入るという感覚でした。
しかし、これだと永遠に「下請け」でしかありません。そのため、自分で仕事を創っていくことにしました。そうなると必要なコンテンツを作るためにセミナーで学んだり、情報発信するための仕組みを作るなどの投資が必要になります。今回は投資に使う資金を借りたということです。
実際の手続き
・10月13日 窓口相談(訪問の30分前に電話してから行きました)
・10月14日 初回書類提出(借入申込書、企業概要書)
借入申込書は、個人情報の他はどういう用途にいくら借りたいのかです。
企業概要書は、沿革、従業員数、取り扱い商品、取引先です。
・10月21日 面談
2期分の確定申告書類、銀行の通帳、住宅ローンの残高および返済予定
これに追加して、自分で「投資計画(A4で1枚)」を作成
先方でシナリオを描いているようで、聞かれたことを補足する回答が中心でした。
・10月26日 融資決定
郵便が送られてきましたが、うまく受け取れず、再送してもらって時間がかかりました。
・11月5日 窓口で手続き
日本政策金融公庫は貸付専門で銀行口座がないため、受け皿となる金融機関に行って手続きが必要です。後は収入印紙が必要です。
・11月10日に入金 (初回返済は1月5日)
過去に住宅ローンを借りたときのやり取りと比較すると非常に簡単です。企業概要書が手書きなので面倒でしたが、A3で1枚でした。
融資の内容
今回は「借りてみる」という趣旨でしたので、百万円で希望していたのですが、結果的には3百万貸していただけました。事務所の家賃(1年分前払)、セミナー受講、ホームページ構築、名刺のデザイン変更、モバイルPCの購入で実際は150万円近くかかります。仕事と入金のずれなど運転資金もかかりますので、多く貸してもらえる分には手元資金の余裕が出るので有り難い限りです。
なお、個人事業として2期に満たないときは「創業融資」になりますが、それを超えると通常融資になります。自分の場合は昨年の数字が良かったのでほぼ審査無しでOKでした。
日本政策金融公庫の場合は政策で中小企業・小規模事業者をサポートしていることもあり、民間の金融機関で必要な「信用保証制度」を使わずに融資の可否が決まります。私のようにふらっと窓口に行って、途中で1週間くらいのロスがあっても融資まで1ヶ月しかかかりませんでした。
お金を借りるということ
普通に生活していると、住宅や自動車を購入するときにローンを組みます。今回お金を借りたのは事業の発展のために投資が必要で、投資資金を金融機関からお借りしたということです。お金を借りずに身の丈に合わせて仕事をすれば、こうやって融資を受ける必要はありません。しかし、それでは事業の成長ペースは自分の身の丈なりでしかありません。お金を借りて自分に投資して、次のステージでお仕事したいと思います。
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私、山下哲博は資金調達サポートとフランチャイズを専門分野とする小規模事業者のビジネスサポーターです。企業の成長戦略をサポートすることで、地域にビジネスの芽が定着できるようお手伝いしています。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
あとがき
金額の桁が違うせいか、住宅ローンと比べると圧倒的に手続きが楽でした。住宅ローンは電話ではOKもらっているのに書類が届かなくて、やきもきすることばかりでした。郵便のやりとりだと向こうから送ってもらった書類を返送するというやりとりだけで1週間もかかってしまいますので、窓口でスピーディに対応いただきました。
ただ、今回は余裕があるときの借入ですが、余裕が無いときは提出書類も増えて大変になります。「晴れているうちに余裕資金の確保」というのが大事なんだろうなと感じました。