経営変革プログラムを作成して、反省していること

公的機関からの依頼で経営変革プログラムを作成しました。これまで通りの経営で行き詰っている経営者が公的機関に依頼されて、経営の見直しを行ったものです。作ったものの、十分な成果が出たとはいえない状況で反省が沢山ありますので記してみます。

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経営変革プログラムの位置づけ

このプログラムは金融機関からの持ち込みでスタートしました。したがって、金融機関からすると、何らかの改善をして欲しいという状況でプログラムの作成を行いました。訪問ペースについてはメリハリがあって、続けて訪問する時期もあれば、先方で試行錯誤してもらうために、時間を取る時期もあります。

しかし、今回のプログラムでは、事業者、作成支援者の思惑とは別に金融機関の要望する時期に作らざるを得なかったところがありました。スタートの段階からかみ合わなかったなと反省しています。

 

プログラムの目的

この変革プログラムは公的機関からの要請で作成はしますが、抜本的な改革までは求められていません。何が抜本的かという点については議論があるところですが、抜本的な取り組みといえば、通常は垂れ流しになっている事業については即時停止・見直しが必要でしょう。

しかし、今回は「今後は利幅を獲得する」という方向での計画にならざるを得ませんでした。本来、利幅が取れていないのであれば、取るための方策を考えて、利益が取れないのであればその事業を捨てるよう進言すべきです。

今回の支援先は、メーカーの看板を使っての販売店です。赤字に陥っているのはメーカーの「販売店つぶし」という意図でもあります。どのメーカーとは言えませんが、露骨に販売店つぶしにかかってきている以上、販売店の方もビジネスモデルを見直すべきです。

 

経営者の感覚

今回の計画では、業績の底についての見通しが中途半端でした。どこまで下がり続けるのだろうとは感じていましたが、経営者が「下げ止まり」という感覚をお持ちでした。抜本的な改革まで計画に盛り込んでしまうと、金融機関の態度が変わってしまうかもしれないという疑念もあり、現状が底であるという計画を策定しました。

しかし、実際には二番底というか、更に業績が落ち込みました。8月下旬からの天候不順という要因も合わさって、計画自体が「絵に描いた餅」になってしまいました。

今回は、収支の悪化を下げとめる為の行動について、経営者と詰めて議論して、実際にできる内容をアクションプランとして策定しました。しかし、経営者は計画が出来た途端に「他人事」になってしまったようで、アクションプランに書かれている内容への着手は十分とは言えませんでした。

 

経営計画の策定は、計画策定ではなく、実行していくことに意味があります。金融機関からの横やりや依頼元のスタンスにも原因がありますが、何よりも自分自身が「経営者を本気にさせる」という点で甘かったと感じています。今後の計画策定に活かしていこうと大いに反省しています。

 

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私、山下哲博は資金調達サポートとフランチャイズを専門分野とする小規模事業者のビジネスサポーターです。企業の成長戦略をサポートすることで、地域にビジネスの芽が定着できるようお手伝いしています。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

あとがき

先日、日本政策金融公庫に融資をお願いしていたお金が無事に入金されました。いきなり事業用の口座にまとまったお金が入ってきましたが、それほど実感がありません。これまで、お金が入ってきたらすぐに事業関連で使ったり、自分自身が大学院に行ったりとしてきたので、事業用口座にまとまったお金があるのは初めてです。しばらくはお金の入金タイミングに神経をとがらせなくて良さそうです。