飲食店の立ち上げ、立地に合わせたストアコンセプトと競合店の把握が必要

飲食業はオーナーの想いや勢いでスタートすることが多いです。飲食ビジネスは参入障壁が低いですし、面白いビジネスでもありますが、一歩立ち止まって設計段階からきちんと検討する事で成功の確率がグッと上がります。

新たに飲食店を立ち上げる場合、絶対的な成功の法則がない

新たに飲食店を立ち上げる場合、既存の飲食店と比較して「売り」の部分が必要です。創業の場合は、安さとか知名度という点ではチェーン店舗にはかないません。マクドナルドでは100円でコーヒーを出せますし、サイゼリヤでは300円でパスタを提供できます。これは、大量出店しているからできる技です。

 

マーケットに割って入るから難しい

飲食業は昔からある商売で、どんな土地に行っても飲食店の無い地域はありません。新たに開業するということは、既存の飲食店からシェアを奪うことに他ならないのです。そのため、地域の飲食店を調べ、競合しそうなお店は見ておいた方が良いです。

 

ストア・コンセプトは店舗立地で変わってくる

ストアコンセプトは、ターゲット、提供商品、差別化要素で表されます。

どういう人が食べに来てくれるのか、多くの人を引きつける看板メニューをどうするのか、その店の強みは何なのかを整理します。

(駅近くの郊外の駅の場合)

ターゲット:○○駅を利用する会社員、○○駅近辺の事業主

看板メニュー:焼き鳥と日本酒

強み:看板娘の接客、一人で来てもカウンターで長居できる

郊外の駅の場合は、新規客を取るというよりも、その駅を利用する周辺の人の中から利用者を掘り起こし、何回も使って貰うという戦略になります。そうなると変わったメニューよりも飽きのこない内容で、むしろ「居心地」や「第二の家族・仲間」を感じられる店作りの方が良いのでは無いかと思います。

ただ、繁盛店の絶対的な正解はありませんので、ご参考まで。前述のコンセプトを整理して、余計なことをやらなくなったらコスト削減と客足回復につながったお店がありました。

 

オーナーの独りよがりにダメ出しした例

以前、相談に来られた方は、地方の飲食店がない過疎地でオンリーワンの飲食店を開くという戦略を立てていました。しかし、開業するのは「アジアン・ダイニング」とのことでした。

・過疎地なら、周辺住民は高齢者でないか?

・飲食店の無い地域であれば、外食する習慣がない地域であり、メニューの新規性は集客要素にならないのではないか?

・飲食店が無いなら、広域から集客しなくてはならず、お酒を出すのは厳しいのではないか?

他にもいろいろとダメ出しをして、創業自体を思いとどまらせたこともあります。ダメ出しに反論出来る位考えているのであれば大丈夫だと思いますが、そうでもなかったので開業しても無理でしょう。失敗しなければ、時期を改めてチャレンジできます。

 

競合店を調べる

通常は大抵の業態であれば似たような店があります。焼き鳥を出す居酒屋にしても珍しくはありません。ただ、一つ一つの店を見て回れば、どのような人が利用していて、その店の看板メニューは何なのかを把握することが出来ます。

その上で、既存店には無い特徴を前面に出していくことで差別化できます。本格的でこだわった焼き鳥を売りにすることもあるでしょうし、お酒で特徴を出すこともあると思います。

客層や価格帯、店毎の特徴を把握し、これまでの地域のお店とは違った立ち位置を取ることで、この店の売りは何かを明確にできます。

 

飲食店は新規開業が多い業界ですが、うまく行かずに閉店してしまうお店も多く、競争が厳しい業界です。「儲かる計画」を立て、新規開業者が計画通りに稼いで欲しいと思います。

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・これから創業したい

・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい

・フランチャイズに加盟してみようかと考えている

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。

 

あとがき