フランチャイズとM&Aを絡めた、事業多角化セミナー

中小企業診断士、FCコンサルタント山下です。先週、フランチャイズに関するセミナーにM&Aを絡めた内容でお話しました。

 

事業多角化セミナー

自分が担当するセミナーはフランチャイズに絡めた内容が多く、昨年は3回、今年も2月のフランチャイズショーと7月の北海道フランチャイズフェアで登壇させていただきます。

今回は東京商工会議所のご担当者様から「フランチャイズだけでなく、違った切り口からスパイスを効かせて欲しい」と言われ、事業多角化という共通項に対して、フランチャイズとM&Aについてお話させていただきました。

 

フランチャイズとM&A、多角化推進における共通点

今回セミナーの準備をしていて、案外共通項が多いと感じました。どちらも、外部のノウハウを活用して、スピーディーに経験のない事業を立ち上げることが可能になります。

通常は、利用者のニーズがあることを前提に、社内にある「何らかの強み」を活かしていくことでビジネスが成り立ちます。利用者のニーズが明確で、それを提供するプレイヤーが少ないのであれば、初期段階では「パクる」ことで事業が成り立ちますが、後からパクる事業者が出てきますので、明確な強みがない場合は「価格」で差別化を図らざるをえなくなってきます。

フランチャイズは本部から開業支援とその後の継続的な支援を受けられますので、ノウハウを手にすることができます。M&Aは興味のある事業を行っている会社を買い取るか、事業だけ切り分けて買収しますので、ビジネス上の事業基盤と従業員を取得することができます。その結果、リスクの多い「ゼロ」からのスタートではなくなります。

 

フランチャイズとM&A、多角化推進において異なる点

フランチャイズはノウハウを手にすることはできますが、それ以外の事業基盤は全て加盟企業が作っていく必要があります。従業員を雇って、営業拠点を作って、真っ更なところからスタートしていきます。参入するビジネスにもよりますが、新規の取引を実現するにはある程度の時間がかかります。

M&Aは既に稼働しているビジネスを買い取りますので、良いところも悪いところも引き継ぎます。買収先が収益を出せているかどうかは案件によって異なりますが、買収翌日からでも売上を立てることは可能です。

乱暴な比較ではありますが、フランチャイズはある程度立証されているノウハウを活用して新規で立ち上げるビジネスであり、「新築物件」に例えられると考えています。一方で、M&Aは何らかの瑕疵を抱えている「中古物件」のようなもので、人の手当だったり、お金の手当だったり、何らかのリフォームが必要になります。会社を買収する金額よりもリフォームに資金が必要になるケースも少なくないと思います。

 

事業多角化に向けた成功のポイント

フランチャイズにしても、M&Aにしても、現状行っているビジネスとは異なる分野に進出するのですから、新しいことに取り組むだけの覚悟が必要です。どちらでも多いのが「安易に考えて始めてしまう」ことです。

フランチャイズだと、「この商売は有望」とか「この市場はこれから成長していく」と勧誘され、本当にそれが実現できるか、自社がやるべき事業かという点を考慮せずに簡単に初めてしまうことが多いです。M&Aも同様で、どうしてこの会社(事業)を買収するのか、買収後どのように既存事業を含めて発展していくのかを明確にしないで買ってしまっているように感じます。

手順としては「会社として未来の予想図を描く」→「未来図の実現に、新規事業の取得が必須かを検討」→「新規事業開始後に期待できること、発生するリスクの洗い出し」→「新事業を任せる従業員の選任」をした上で、フランチャイズ加盟や新規事業の取得を考えるべきです。

 

当社でサポートできること

当社はフランチャイズのメリットとデメリットを熟知していますので、新規事業としてフランチャイズ加盟を考えている事業者にとってのセカンドオピニオンを提供することができます。また、加盟後はお金もかかるでしょうし、加盟後には会社が一回り大きくなりますので、それに見合った事業計画の策定、計画実行段階の助言ができます。

M&Aについては、M&Aの必要性について経営者の相談役になり、実際に案件探しに入る際には提携先のご紹介と助言(アドバイザー)を提供できます。いきなり仲介会社に案件探しの依頼をすると、表面上の利回りの良さそうな案件を紹介され、後から組織の融合に手を焼く可能性があります。

当社のスタンスは、経営者の右腕として、経営者とは異なる目線で情報提供、起こりうるコトの助言を行い、最適な選択に導くことにあります。ご興味がありましたらお問い合わせください。

 

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、経営革新等認定支援機関の登録をしているビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

得意分野はフランチャイズの本部立ち上げですが、会社の成長につながる経営計画作り、補助金申請など、ビジネスの成長、新規立ち上げをサポートしています。また、最近、スモールM&Aのサポートも始めています。

・創業時の創業計画、創業融資獲得

・店舗の収支改善、集客、多店舗展開・フランチャイズ展開→ハンズオンで支援します

・資金調達のための事業計画(銀行から言われたら一緒に作成します)

・日本政策金融公庫の経営力強化資金(通常より低利です)

・新しいことに挑戦する経営革新計画、経営力向上計画

・ものづくり補助金など、補助金申請

・会社の成長戦略を描くための早期経営改善計画(費用の3分の2は補助金使えます)

・スモールM&A(外部への会社/事業売却)のお手伝い

 

あとがき

先月は10連休の後に研修が控えていて、更に新しいテーマでのセミナーがあったので、ブログを1回も更新しませんでした。再度、不定期に更新していく予定ですので、どうぞ宜しくお願いします。