事業承継という言葉をあちこちで聞きますが、論点がずれているように感じます。事業承継を控える会社の多くは、節税とか相続ということではなく、次の経営者が良い形で経営を引き継げるかどうかです。
事業承継は3つの承継がある
事業承継は3つの承継と言われます。
・経営の承継
・見えない価値の承継
・資産(財産)の承継
一般的にクローズアップされているのは資産承継なのですが、本当に大事なのは経営の承継ではないかと思います。
経営の承継
承継と言う言葉からは「引き継ぎ」というイメージが連想されます。ただ、これだけ環境の変化が激しくなると、今までの延長で経営していくことは難しくなっています。
儲かる仕組み=ビジネスモデルは永遠ではないですし、先代経営者を支えてきた従業員がこれまで通りに支えてくれるかは分かりません。また、取引先や金融機関も経営者が変わればスタンスは変化します。
資産の承継
資産というと、プラスになっている会社とマイナスになっている会社があります。プラスの状態で引き継げれば良いですし、その場合はプラスの資産をどのように引き継げば節税になるのか、親族との調整が付くのかという課題があります。
ただ、自分がこの1年見てきた感覚では、マイナスの状態で引き継ぐ会社の方が多いです。経営者からの貸付で資金を回していたなら、最悪は貸付分を放棄すれば大丈夫ですが、金融機関からの借入で何とか回っている会社の方が多いように感じます。この場合、後継者が経営を引き継いでも、経営が改善しないと金融機関がいつまでも支えてくれる保証はありません。
事業を引き継ぐ前提
父がやっている会社だから・・・
これまで一緒にやってきたから・・・と、安易に経営を引き継ぐ方が多いかもしれません。
自分も父が経営者で、自分も弟も経営を継がずに廃業させてしまったので、引き継げればよかったのですが、それでも引き継げなかったと感じています。
経営者となるからには十分な勝算があるかどうかが重要です。現時点で収益の目処が立たなかったり、債務超過になっていて、借入返済の目処が立たないということであれば、無理に経営を引き継ぐ事はないです。他の事をやりながら、自分がやりたいことを新規に立ち上げた方が良いです。好きなことをやって失敗したなら納得もいきますが、時代の流れでどう立て直すか分からない事業を引き継いでしまうのは悲劇になるかもしれません。
自分がサポートするのであれば、後継者の事業計画を徹底的にご指導しますし、経営の状況を把握できるよう、経営の見える化をサポートします。
ご興味ありましたらお問い合わせください。
◆自己紹介
私、山下哲博は、経営革新等認定支援機関の登録をしているビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。
・創業:創業資金を確保するための事業計画を作りたい
・新事業挑戦:新しい事を始めるための計画を作りたい。事業評価を行いながら失敗しないように取り組みたい。補助金や融資など、これからの事業に必要な資金を調達したい
・多店舗展開、フランチャイズ:これから事業を大きくしていきたい。組織を急拡大したい
こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。まずはご相談だけでも問題ありませんので、お気軽に問い合わせていただければ。何らかのヒントはご提供できると思います。
あとがき
明日からJリーグ開幕!シーズンチケットを買わないのは10年ぶりですが、今年はDAZNで応援します。