売上よりも粗利を重視する経営を〜下請けいじめにまけない経営

下請けいじめを受けているという経営者から相談を受けました。最も取引の多い会社の下請けいじめがひどくなって耐えられないとのこと。一度会社の経理情報を確認してみてはと助言しました。

下請けいじめ

大会社は下請けで使っている中小企業に無理難題を言ってくることがあります。

・支払いは90日後

・在庫くらい置いとけ

・消費税分、まけてよ

自分はコンサル商売なので在庫負担はありませんが、支払いが遅いとか、消費税を請求書に記載すると露骨にいやがられたりということはあります。消費税は8%ですから、下請けにまけてよというのは本来おかしいのですが、平気で要求してきます。最近は消費税分の請求を認めないのなら仕事はしませんと宣言しています。こっちは消費税の負担をしていますので、当然の権利ですが。

 

下請けいじめの実態は?

大企業のサラリーマンだと、下請けをいじめているという実感はないと思います。支払いが遅れたり、勝手に消費税分の値引きを要求してきたりというのは、逆の立場になったらどれだけ困るのかという創造力が働いていないことが原因ではないかと思います。

自分も独立したばかりの時に、請求翌月末に入金されてこないことを会社員時代の元同僚にこぼしたら、「だから零細はいやなんだ」と言われました。この同僚には「パワーポイント、そんなのは業者が作る物じゃないか、そっか、山下も業者に成り下がったんだ」と嫌みを言われたことがあります。

その同僚の場合は、俺は大企業にいるんだぜというプライドが中小企業をいじめたくなるようでしたが、悪意の有無に関わらず、日々の収入が守られている人たちには入金が滞ることが理解できないのかなと感じています。

 

社長が把握すべき数値

経営をしていて敏感になるべきは、売上総利益率=粗利です。コンサル稼業の場合は、自分で仕事する分には原価がかかりません。ただ、多くの仕事では利益が出ているかどうかは非常に重要です。

先に紹介した下請けいじめの場合、1ドル=80円のレートで固定されたまま、輸入商品の納入価格の変更を受け入れてもらえないと言っていました。今のレートだと110円くらいなので、利幅がかなり小さくなっていると思います。その会社では支払いは納品の5か月後とも言っていましたので、入金されるまでの運転資金も必要です。

そんな場合には、「粗利が取れているか」が取引見直しの基準になります。粗利が出ているからこそ、人件費や営業経費をまかなうことができるわけで、最低限と考える利幅のラインを割り込むようなら、「取引を止める」というのは選択肢に入ってきます。経営者が数字を把握していれば、数字を元に見直しの交渉に入ることができます。

逆に、数字がどんぶり勘定になっていれば、いいようにやられてしまいます。その結果、「手元にお金がないな」ということになり、銀行から借りる羽目になります。今は金利が安いですが、それでも余計な借入をしないに越したことはありません。

 

会計のことは分からないという社長さん、結構多いのですが、見るべき数字をつかめばそれほど難しいことではありません。会社の数字の「見える化」が必要であれば、ご相談ください。

 

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・これから創業したい

・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい

・フランチャイズに加盟してみようかと考えている

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。

 

あとがき

政治家の不倫騒ぎが大きく報道されています。不倫って代償が大きすぎますし、そもそもそんなことしている暇があるのかなと疑問に思います。
将来有望な方だったので、キャリアがもったいないです。