従業員への「のれん分け」、留意点について

のれん分けについて教えていただけますかと問い合わせがありました。のれん分けについて記してみます。

一般的なのれん分け

のれん分けと聞いて想像するのは、お店の従業員にお店を譲渡することです。その場合のメリットは①従業員の長年の頑張りに報いることができる、②従業員のキャリアプランの一つとして示せる、③のれん分けした従業員の頑張り次第で更に店舗を増やせる、ということです。

飲食店や美容院などでは一般的であり、オーナーが長年頑張ってきた従業員に報いたり、独立されて関係が途絶えるのを防いだりという意味でも活用されています。

 

のれん分けの留意点

元従業員といえども、別の会社を立ち上げて独立するとコントロールが効かなくなります。例えば、コーヒーの味を守るために禁煙にしているチェーンなのに、店内での喫煙を認めてしまうと、チェーン全体に対する消費者のイメージが変わってしまいます。

そのため、店舗の名称(商標)を使う代わりに、商標の使用料を請求したり、チェーン全体のルールを守らせたりという条件を付けることが一般的です。

また、商標以外にも広告宣伝や提供商品にルールを設定することも多いです。

逆に、ルールを設定しないでのれん分けをすることは、チェーン全体の価値を既存することにつながりかねないということになります。

 

店舗譲渡時の留意点

仮に、従業員を独立させて店舗を持たせる際には、どのように店舗を譲渡するのかについて調整が必要です。店舗資産だったり、店舗のある土地や賃貸契約をどのようにするのか、そこで働いているスタッフをどうするのか等です。

元従業員だから問題が発生すれば協議したら良いというケースも多いのですが、将来的に事業の承継が発生すると段々と調整がきかなくなります。

是非、専門家にご相談することをお勧めします。こちらでも対応させていただきますので、ご相談いただければ。

 

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・これから創業したい

・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい

・フランチャイズに加盟してみようかと考えている

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。

 

あとがき

今週は研修ウィーク、月曜日の祝日からスタートして明日まで研修施設に缶詰です。