経営者報酬の設定〜好きに決めて良いが責任は取らなきゃならない

今日の新聞でサマンサタバサの社長が3月〜5月の月額報酬を全額返納するという記事がありました。自分も12月決算後に散々シミュレーションして経営者報酬を変えた直後だったので印象に残りました

経営者の報酬

サラリーマンだと給料は人から評価されて決まります。お金が欲しいのは誰しも同じですので、「もう少し給料欲しいな」と思うのは自然な感情です。

特に、自分は従業員8万人の年功序列の会社にいましたので、30歳の時に会社を辞めてベンチャーに行った時に「いくら欲しいの?」と年棒交渉したときはとても新鮮でした。

ただ、自分で会社を作り、その会社からいくらもらうのかとなると、散々悩みました。

 

経営者報酬を自分で決める

個人事業の時と会社を作った時で大きく違うのは、会社を作った後は「稼いだお金が自分のものでない」ということです。個人事業の時は、経費を支払ったり税金を払ったりという部分はありますが、基本は稼いだお金は自分のものですが、会社を作ると、稼いだお金は会社のものです。

自分のお金として自由に使いたかったら経営者報酬の金額を設定して株主総会で決めて億必要があります。そして、年金事務所には年に1回報酬額を届出して、社会保険の額を算出してもらい、会社負担分と本人から預かった分の社会保険料を毎月支払う必要があります。

経営者報酬とセットで払う福利厚生費は毎月必ず出ていく費用ですので、返納したところで、費用自体は会社から毎月出て行きます。

いったいいくらなら会社の経営に影響を及ぼさないのか、事業のサイズが小さいときほど会社の経営に影響を及ぼすので悩みます。

 

自分の経営者報酬の決め方

自分は予想される収支計画を作って、経営者報酬を設定しました。売上を積み上げていって、事務所家賃や交通費、通信費など出ていく費用がありますので、経営者報酬をいくらまで取って良いのか逆算して決めています。

もっとも、売上を100%予測するのは不可能ですので、仕事が入っていない時期については、「こういう仕事を入れる!」とエイヤで売上を見込んでいます。

自分がよくやるのは、期待できそうな売上×期待値を掛けて売上予算に入れています。

例えば、10万円のスポット収入×50%=5万円として売上にいれておきます。

この場合は50%で計算していますので、見込みで2回計上している場合、どちらかの案件を取ればOKです。

ただ、基本は売上は控えめに計上して、利益が出そうであれば、会社の備品を入れる方向で調整していました。

 

経営者報酬はしっかり取っておく

ただ、経営者報酬はきちんと取っておいた方が良いです。経営者自身のモチベーションになりますし、いざというときは会社に返納すればよいので、その時の原資になります。また、会社の備品を買うよりも、個人で好きなものをかえるお金として貰った方が良いように感じます。自分の税理士さんも同じような考えです。

会社の備品として購入したときは、税務調査時に支出の妥当性が問われますが、経営者報酬なら何も言われないからだと思います。福利厚生費として、会社と本人から3割近く取られるのが残念ではありますが。

経営者報酬の取れる会社にする

今回のサマンサタバサなどでは、経営者報酬は月に何百万という単位だと思います。これを返納するのも、稼いでいる時に報酬を取っていた分、返納しても生活ができるというのが前提になっているからでしょう。

一生懸命稼いで、きっちり報酬をもらい、何かあったら経営者は報酬をもらうどころでなくなって返納するのは、きついですが、多くの経営者がやっていることです。自分も月100万位の報酬をもらってみたいと考えていますが、そのためには月に200万くらい売上があるのが前提になりますので、もう少し先かなと感じます。

経営者報酬をきちんともらえるよう、稼げる会社作り、支援させていただきます。

 

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、経営革新等認定支援機関の登録をしているビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

得意分野はフランチャイズの本部立ち上げですが、店舗ビジネスやスモールビジネスの成長をサポートすることでしたら、お役に立つことができます。

・創業時の創業計画、創業融資獲得

・店舗の収支改善、集客、多店舗展開・フランチャイズ

・資金調達のための事業計画、補助金確保、経営力向上計画、経営革新計画

特に得意なのはサービス業、リサイクルビジネスです。

 

あとがき

温かくなってきて、いよいよ春めいてきたのですが、花粉が憂鬱です。本来良い季節のはずですが、晴れている昼間は用事が無い限り外にでませんので、残念な季節です。