個人事業から会社にするときに検討が必要なのは会社の名称です。いくつかの論点で検討する必要があります。
個人事業の名称
個人事業は文字通り、個人の仕事です。その為、不特定多数の人を相手にする仕事でなければ自分の名前をベースにするケースが多いです。
・〇〇社会保険労務士事務所
・〇〇会計事務所
・〇〇設計事務所
・〇〇中小企業診断士事務所 など
独自の屋号をつけるケース
ただ、単に自分の名前を付けるだけでは面白くないので、何らかの意味を込めて屋号を付けるケースもあります。
独自名称+業態
・美容室〇〇
・〇〇酒店
・中小企業診断士事務所エム.サポーティング
→個人でやっていたときの屋号です
のれん分けのケース
個人事業であっても、のれん分けしてもらうことで、よく知られた名称を付けるケースもあります。これらはフランチャイズとか代理店ではなく、名称の使用を許可される例です。修行した飲食店で名乗ることを許され、のれん会のような緩い組織に入って営業しているようです。
うなぎ→宮川
うどん・そば→増田屋
会社にするということ
会社にするということは、規模の拡大を追うのか追わないのか方針がありますが、個人のときとは事業の意味が異なってきます。個人にはプライバシーがありますので、個人事業の内容を外部から検索されることはありませんが、会社にすると公のものになります。
会社登記したとたん、あちこちからダイレクトメールが届きますし、調査会社から会社情報を提出するよう求められます(任意なので自分は出していませんが)。
会社は受け渡しができる
個人事業でも事業承継はできないことはないでしょうが、事業の財産と個人の財産が一緒になっていることが多いです。会社の場合は、会社の財産、会社が生み出す収益が、代表者の生活と切り離されています。また、株式を所有している人が会社の所有者になりますし、役員は登記されますので、会社の責任者も明確です。
そして、外部の人間が株式を全て所有することで事業の譲受ができます。
会社の名称
したがって、会社の名前に個人名を付けるのは止めておいた方が良さそうです。もっとも、トヨタ自動車のように創業者の名前が残る場合や、三井や住友のようなケースもありますが、創業家を離れて発展していくのであれば、名称の変更(CI)もありだと思います。
自分の場合は、外部に譲渡する予定は全くありませんが、自分の名前でなく思いを込めた名称にしました。山下コンサルティングだと自分の為に仕事しているような印象で嫌でした。
スモールビジネスの発展には参謀が必要です。従業員として雇うのでなく、必要な時に頼れる外部顧問を使ってみませんか?フルタイム従業員よりもリーズナブルですよ。
◆自己紹介
私、山下哲博は、経営革新等認定支援機関の登録をしているビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。
・創業:創業資金を確保するための事業計画を作りたい
・新事業挑戦:新しい事を始めるための計画を作りたい。事業評価を行いながら失敗しないように取り組みたい。補助金や融資など、これからの事業に必要な資金を調達したい
・多店舗展開、フランチャイズ:これから事業を大きくしていきたい。組織を急拡大したい
こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。まずはご相談だけでも問題ありませんので、お気軽に問い合わせていただければ。何らかのヒントはご提供できると思います。
あとがき
この内容は、事業承継時に後継者が代表者の苗字が入っている会社名を嫌がっているとお聞きしたことに着想を得ました。この場合は、会社の信用力を得るために、嫌でもいったん承継しておいた方が良さそうでしたが。