大塚家具と言えば、あちこちに店舗があるにも関わらず、高い家具が沢山置いてある印象がありました。経営者が変わって中価格路線に転じたことで苦戦しているようです。
ブランドについて
ブランドは「品質保証」の役割を果たしていると思います。同じ車でも、トヨタよりはレクサスの方が良いし、同じ輸入車でもフォルクスワーゲンよりもメルセデスやBMWの方が高品質だという暗黙の了解があります。
そして、高品質で序列が上だという認識によって、レクサスやメルセデスは高い価格の製品を販売することができます。
不祥事で価格を下げるブランド
フォルクスワーゲンは、ゴルフを中心にコンパクトカーの領域(Cセグメント)では世界ナンバーワンだという認識がされていました。ただ、ディーゼルエンジンでの輩出ガスに関する不正が問われて、日本では価格を下げて販売する事になっています。
ただ、車は価格を下げたから売れるものでは無く、かつての高品質ブランドへの回帰には時間がかかりそうです。
大塚家具は元々高級家具の店でした
大塚家具の父娘バトルの発端は大塚家具の立ち位置から生じたと言われています。元々の大塚家具は「会員制」のお店で、来店客は案内無しでは好きに歩き回れませんでした。
自分は結婚する前後で店舗に行きましたが、受付で案内係が付くまで好きに歩き回れませんでした。受付でどのフロアに行きたいのかを伝えていないと、案内もしてもらえません。
どちらかというと、どういう家具がいくらくらいで販売されているのか好きに歩き回りたかったので、早々に売り場を出ました。ただ、「大塚家具=高級」というイメージは持っていました。
大塚家具は経営者が変わって中価格路線に
ただ、経営者が創業者の娘に代わって、大塚家具は会員制を止めて中価格路線に転じたようです。
しかし、中価格路線は、多店舗展開しているホームセンターが狙っているポジションです。ホームセンターは「安くて良いもの」に強みがありますが、安いものばかりでなく、「高くても良いもの」も展示します。
単純に中価格の家具で比較されると、家具だけでなく他のものも買えるホームセンターの方が有利でしょう。ホームセンターにはペットショップを併設したり、住まいの消耗品なども扱っていてワンストップショッピングができるので、一般の消費者にとっては有利です。
高級な家具をわざわざ買いに行くから、大塚家具は「選ばれる理由」があったと思います。どこでも同じものが買えるのであれば、大塚家具に行く理由はありません。レクサスはレクサス販売店で買うから価値があり、どこでも買えたら価値が半減するのではないでしょうか。
ブランドは、ブランド品を買う前のところから、購買経験をする、商品の背後にあるストーリーを知るという楽しみがあります。大塚家具のようなお店は、量販店とは違う立ち位置で勝負するべきでしょう。
自分もコンサルタントですが、サービス業も価格だけでないところで「選ばれる理由」を作らないといけないなと感じています。
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私、山下哲博は店舗ビジネスの発展支援と資金調達サポートを強みとする、小規模事業者向けのビジネスコンサルタントです。
・補助金や事業計画のサポート
・売上増加につながるご支援
難しいことを分かりやすく、経営者の右腕になるべく帆走型のサポートを行っています。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
あとがき
今のオフィスが7月で契約が切れるので、次のオフィスを探しています。まだ確定ではないのですが、仮押さえを入れました