小さな会社の資金調達〜小規模事業者持続化補助金〜

今日は商工会のお仕事で補助金申請の相談員をしてきました。何件か申請書を見せていただき、気になったので記しておきます。

小規模事業者持続化補助金とは

この補助金は文字どおりに小規模事業者のための補助金で、販売促進活動に対して補助が出ます。

「経営計画に基づいて実施する販路開拓等の取り組みに対し、原則50万円を上限に補助金(補助率2/3)が出ます」(商工会ホームページより)

http://h26.jizokukahojokin.info/

スクリーンショット 2015-04-20 23.30.32

補助金だから返さなくて良いのでしょう?と聞かれることが多いので補足すると、支給されたら返す義務はありません。
ただ、実際には先にお金を使って、後から補助金が入ってくると言うことで、お金を立て替える必要があります。

 

申請書作成のポイント

この補助金については、「計画の作成や販路開拓の実施の際、商工会議所の指導・助言を受けられます」とありますので、商工会議所の相談員としてお仕事させていただきました。

実は、公募要領の42ページには「基礎審査」「加点のポイント」が記載されています。基礎審査は資料を全て提出など、基本的なことなので、いかに加点するかが重要です。

加点に関しては明確に書いてあります。

◇自社の製品・サービスや自社の強みを適切に把握しているか。

◇経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場の特性を踏まえてい

るか。

◇補助事業計画は具体的で、実現可能性が高いものとなっているか。

◇補助事業計画に創意工夫の特徴があるか。

 

このように書いてありますので、どういう市場を狙うのか、自社にはどういう強みがあるのかを書かなくてはなりません。

そして、補助事業(補助金をもらって行う事業)は具体的なもので、何らかの工夫があること、そして実現できるものでなくてはなりません。

 

相談例

今日の相談事例を紹介しますので参考にしてください。

山下「申請書を見ると、SEO対策に毎月10万、半年間実施されるということですが、具体的にどのようなことをされるのですか?」

相談者「具体的って何ですか?SEO対策をやると明確に書いてありますが

山下「月10万というとリスティング広告ですか?」

相談者「ちがいます。グーグルの仕組みに合わせてホームページをちょこちょこ変えているのです。それをコンサルタントに依頼しているんです。

山下「それなら、その取り組みはどういう独自性があるのでしょうか?創意工夫という加点ポイントがあるので明記してください」

相談者「SEO対策に工夫なんて無いですよ。やるかやらないかだけです

 

このやりとりを見て、どう思われますか?

申請書には「SEO対策をコンサルタントに依頼して、月10万払います。」以上。そういう感じでぶっきらぼうに書いてあるだけでしたので、これでは分からないから実際に何をするのか教えてくださいと聞いたつもりでしたが、不快な思いをさせてしまったようです。

でも、審査員の立場で考えてみてください。
実際にどういう人が審査するかは分かりませんが、たくさんの申請が来ている中から、SEO対策として何をするのかが明確でないと、積極的に選ぶことはできないでしょうね。

少なくとも、「具体的に」どういうことをコンサルタントにしてもらうのか、そのコンサルタントはどういう独自性を持っているのでしょうか?ということを申請書に書いておくべきでしょう。
補助金申請書作成前にこちらをお読みになった方は参考にしてください。

 

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

 

(編集後記)

今日の日経MJの1面記事に「マツダ地獄 脱却へ疾走」という記事がありました。自分が車の買い取りチェーンにいた10年前くらいに良く聞いた言葉なので反応してしまいました。確かに最近のマツダ車は格好良いと思います。ただ、車の横幅が北米基準なので、日本の道路幅には広すぎるように感じるので、私はチョイスしませんが・・・