フランチャイズ、のれん分け事例②ヘア&メイクEARTH

今回は美容室の「のれん分け」について、ヘア&メイクアースを展開している株式会社アースホールディングスの事例を紹介してみます。

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美容師の独立事情

美容師は、専門学校で学んでから店舗で経験を積んで、独立していくのが一般的です。ただ、独力で独立するには資金を貯めなくてはなりません。そして、美容室を経営する側にとっても、独立するときはお客さんを持って行ってしまうので、なるべく独立させたくないというのが自然な感情です。また、会社が「のれん分け」を認める場合であっても、赤字店を渡すのが一般的なようです。

 

ヘア&メイクEARTHの独立支援制度

同社では採用の時点からキャリアプランとして「独立」を示しています。店舗でスタイリストとして活躍した後は、店長になるもよし、本部勤務や教育部門に移るもよし、マネージャーやスーパーバイザーとして指導する立場になるもよし、自らがフランチャイズオーナーとして活躍するもよしといった具合です。

同社のホームページに説明があるのですが、「マネジメントフルコミッション契約」や「プロフィットコミッション契約」を交わし、店舗利益の一定割合を独立にそなえて積み立てを行い、最終的には店舗の運営を委託して、フランチャイズオーナーになるようです。

 

のれん分けを従業員のキャリア構築に組み込む

前回紹介したファミリーマートはフランチャイズとして独立することを前提に最長3年間の経験を積む制度です。したがって、フランチャイズ加盟のオーナー候補生を内部で育てる仕組みといえるでしょう。

ヘア&メイクEARTHの場合は、採用の時から、将来のキャリアとして独立制度があることを示しています。そして、会社に黙って独立するのではなく、会社の制度として独立することができるので、チェーン店舗の一角を担ってもらえる他、店舗引き継ぎに伴う資金回収と、独立後もロイヤルティという形で売上になりますので、会社にとってもメリットのある制度です。

 

フランチャイズ展開する際、従業員は店舗運営のことを熟知していますので、勝手に独立されてしまうのではなく、会社が支援して独立してもらうことができれば、会社にとっても従業員にとっても双方にメリットのある仕組みといえますね。

 

あとがき

10月20日に大阪で開催される「大阪フランチャイズ&起業・独立フェア」でセミナーを担当することが決まりました。フランチャイズの基本的な仕組みと加盟に向けたステップについてお話する予定です。