前々から噂にはなっていましたが、居酒屋チェーン大手のワタミが介護事業を売却するという報道が出ました。そして、売却先は損保ジャパンとかパナソニックという会社名が上がっているようです。
ワタミの介護事業
ワタミは「レストヴィラ」という名称の有料老人ホームを運営していました。ワタミは居酒屋で食事を取り扱っているので、老人ホームで提供する食事との相乗効果が真っ先に思いつきます。居酒屋での業績不振が原因とのことですが、老人ホームは入居金をいただいて、ある程度の入居者を確保することができたら、その後は安定して収益が入ってくるビジネスモデルです。居酒屋は景気に左右されるところがあるでしょうから、売上を安定させることができる介護事業を手放すのは断腸の思いでしょう(報道では、競合の参入によって施設の入居率が低下しているとのことでしたが)。
口コミのこわさ
ワタミがこうした有料事業を手放さなくてはならなくなったのは、主力の居酒屋の業績不調によるものです。前期は128億円という巨額の赤字を計上し、金融機関から改善策を求められていて、主力事業を手放すという抜本的な事業見直しに至ったようです。
元は、アルバイトの就労環境に端を発し、それがインターネットで拡散されて、すっかり「ブラック企業」としてイメージが定着してしまいました。飲食業はアルバイトの長時間労働に支えられているところが大きいので、現場は一層人手不足になってしまい、サービスが落ちて客も離れるという連鎖になります。もっとも、居酒屋自体も格安の居酒屋が出てきて、和民自体が「割高」になってしまった面もあります。
従業員の満足の重要性
居酒屋は飲食業ですが、従業員無くして店舗は成り立ちません。どんなに良いメニューを提供していても、それを提供するのは従業員です。従業員の笑顔や気配りをみて、来店客は「ここに来て良かった」と思うことができます。
飲食業では従業員を介さずに用を足せるよう、セルフ化を推進している業態もあります。讃岐うどんなど、トッピングをとってレジに進んでいく店舗もありますし、回転寿司でタッチパネルを活用して寿司を自動で運んでいくシステムもあります。居酒屋でもタッチパネルでの注文は多くの店が導入しています。
その一方で、カウンター越しで来店客との会話を大切にするお店もありますし、「看板娘」が頑張っている飲み屋さんもあります。そういったお店では単に酔ってお腹が一杯になれば良いのではなく、従業員との会話を含めてサービスになります。
私はフランチャイズ化を推進する際に、「標準化」を進めていくのですが、お客様にとって価値を感じている部分は残さなくてはいけないなと考えています。
あとがき
昨日、ブログのテーマを変更してみました。前のテーマでいろいろと困っていることがあったのですが、なかなか修正する余裕がなかったのでテーマごと変えてみました。事業ホームページを見ていただくこともできるようにしました。