ふとしたことでビジネスプランの相談を受けました。内容は旅行商品の商品企画でした。2日間の行程が欲張りすぎて「あれもこれも」になっていましたが、読み進めると欲張りになっている理由がわかりました。ターゲットが定まっていないのです。
ターゲットが定まらない旅行商品
団体旅行を作るには、ターゲットを決めることが重要です(旅行だけでなく、その他の商品も同じですが)。その商品は、学生団体、富裕層のシルバー層、歴史の好きな女性、その他というものでした。
私は旅行の添乗に散々行ったことがあるのですが、学生と富裕層のシルバー層が一緒に旅行して満足してもらえるとは思いません。私はシルバー層向けの団体が多かったのですが、散々あちこちで楽しい想いをされてきた方々です。ちょっとやそっとでは満足してくださらないです。富裕層の方はあちこち見るだけだったら観光タクシーで回ってしまいます。お金に余裕があれば、2人で1万5千円くらいで半日観光できれば十分なのです。
ただ、私が添乗する旅行では、シルバー富裕層が参加される理由が明確でした。
団体旅行に参加する理由
団体旅行は窮屈です。見ず知らずの人と一緒に行動しなくてはならないし、途中で時間の調整もできません。それでも団体旅行に参加するのは、個人では手配できない経験ができるからです。例えば、お祭り。個人だとお祭り会場まで行こうとしても沢山の人で近づくことができません。団体旅行だと特別に手配した場所で見ることができますし、混む時間を微妙に避けて、プロが連れて行ってくれます。
私が何回か行かせてもらったのが、四国の「こんぴら歌舞伎」や富山の「おわら風の盆」です。こんぴら歌舞伎はチケットを入手するのが大変で、そこに行くまでのアクセスも大変ですが、団体であればストレス無く宿泊して見学できます。風の盆は非常に混み合いますので、「前夜祭」へのご案内をしていました。「本祭」のコースもありますが、先輩に聞くと、「前夜祭」で十分とのことでした。前夜祭で踊っているところと、実行委員の方のお話を聞くことができ、参加者は非常に満足した様子でした。
ターゲットの設定
シルバー層をターゲットにするなら、行程は欲張らず、フリーで旅行しても得られない体験を入れます。価格でつられてくる方であれば、食べ放題やフルーツ狩、アウトレットなどを入れ、個人では実現できない価格設定にします。「歴女」などニッチな層を狙うなら、個人参加を前提とします。
そして、価値観が似通った人と一緒であれば、旅行中のトラブルは避けることができますが、いろいろな人が参加すると、参加者同士のストレスがたまり、添乗員に難癖を付けてくることが多いです。
今回、たまたま旅行について書いて見ましたが、商売ではターゲットを絞り込んでターゲット客の求める価値を提供しないとなりません。ビジネスプランを考える際には肝に命じてください。
あとがき
昨日は神宮球場にナイター観戦に行きました。チームが弱いと相手チームのファンの方が多いのですが、今年は優勝争いしていますので、同じチームを応援する同士が多いので非常に楽しい観戦ができました。LIVEで何かを経験する際には、「場の雰囲気」が重要ですね。このまま優勝して欲しいものです。