先日、問い合わせを受けました。個人向けのフランチャイズで加盟するのに1000万円かかるのだが、それは高いのか、安いのかと。この金額について考察してみます。
加盟金1000万円?
フランチャイズに加盟するときに、絶対に請求されるのは加盟金です。加盟金の対価は商標の使用許諾とノウハウの開示になります。商標はチェーンの名称であり、セブンイレブンとかマクドナルドといった店舗名になります。当然、知名度が高いチェーンの方が価値があります。
また、ノウハウは形がありませんが、フランチャイズ本部はマニュアルや研修プログラム等、形として示しているのが通常です。マニュアルを受け取って、研修を受講しておいて、「何のノウハウも示されなかった」と主張しても、裁判ではその言い分は通りません。
ただ、通常は加盟金、保証金、店舗オープンサポート、研修受講料、システム導入費用、店舗看板部材費用など、もう少し細かく請求してくるのが普通です。加盟金だけで1000万円と言われると高いように感じますが、その内訳を確認してみないと一概に高いとは言い切れません。
初期費用以外にどれだけ費用がかかるか試算しよう
本部から1000万円を請求されたとして、実際に開業するまでにかかる費用は他にもかかります。店舗物件の取得費用(不動産会社への支払い、保証金など)や店舗内装の工事費用、設備や什器の費用、従業員の採用コストとお給料です。開業前に店舗を作って、従業員のトレーニングをしておかないと店舗のオープンまで行き着きません。
また、開業してすぐに黒字化できるものではありません。フランチャイズ本部から、「うちのシステムだと6ヶ月目で黒転できる」などの説明を受けるかもしれません。その場合は店舗のPL(損益)が6ヶ月目に黒字に転じる、すなわち、最初の5ヶ月は赤字経営であるということです。オープン時の投資に加えて、その後の5ヶ月の赤字分は資金を確保しておく必要があります。
ざっと、簡単に書きましたが、本部に1000万円かかるという説明だけではそれが高いのか安いのか判断がつきません。初期投資が1000万円かかっても、それを何ヶ月で回収できるかの方が重要です。また、本部への支払いが全てではありませんので、十分な運転資金を確保しておくことが必要です。もし、不安であれば、事業計画の作成を専門家に手伝ってもらうと、自分だけでは気がつかなかったことの抜け漏れが防げますので、開業後すぐに資金ショートしてしまう事態からは回避できるでしょう。
私、山下哲博は調査とフランチャイズを専門分野とする、小規模事業者のビジネスサポーターです。創業やフランチャイズを含む多店舗展開、店舗の売上向上など、サポートしている他、業界全体を俯瞰してトレンドを整理する市場調査を得意としています。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
あとがき
昨日、新しいiPhoneが出たようですが、これまでと違って「熱狂無き新モデル発表」でした。新モデルが出る度にニュースになっていたこれまでが以上だったのかもしれません。私はiPhoneよりもiPad miniの新モデルに興味しんしんです。