ものづくり補助金、本当に必要ですか?

ものづくり補助金が佳境です。毎年受けている問い合わせですが、無理に補助金もらわなくても良いのでは?と思うことがあります。

補助金をもらうには先だった投資が必要

補助金というとタダでもらえるお金というイメージがあるのですが、もらえるわけではなくて「補助金」であり、使ったお金を補助してもらえるものです。しかも、計画が採択されるには、結構な競争率のコンペに勝ち抜かなくてはなりません。

今回のものづくり補助金では経営革新計画などを取っていなければ補助率は2分の1ですので、満額の1,000万円をもらおうと思えば、先だって2,000万円使う必要があります。

予算を適切に使った後に監査に来て、OKになれば後から補助金という形でお金が入ってきます。

 

補助金は特別利益

補助金は決算時に特別利益(本業以外で、臨時で入ってくる収入)で計上する必要があります。元々赤字決算なら赤字を補填してくれますが、元々利益が出ていれば利益が上積みになりますので、しっかり課税されます。税率4割なら手元に入ってくるのは6割になります。
うがった見方をすると、2,000万円の設備投資をして、補助金1,000万に対して税金400万円かかるので、手元に純粋に入ってくるのは600万円です。

 

補助金は取る前、取った後が大変

ものづくり補助金の採択率は前回の場合で4割弱で、採択された後もいろいろと手続きがあります。採択後に適切な支出かどうかの審査をする交付申請をします。

そして、交付申請した後は計画に書いた目標に対して成果が出たかどうかを報告した上で、支払いの証拠になる書類と共に補助金の支払いを依頼します。

したがって、「採択=補助金ゲット」ではありません。

以前に、補助金の経費項目と違う内容で申請を書くよう依頼され、それだと補助金が出ないと何回も説明したところ、「それを上手く書くのがコンサルだろ!」と逆ギレされたこともありましたが、そんなことしても補助金はいただけません。

 

その設備、その支出は本当に必要か?

補助金が出るなら設備を買っておこうという発想の方も多いのですが、本当に補助金が必要かどうかを考えた方がよいです。無理に最新設備にしなくても間に合っているケースが多く、補助金で設備投資をすることで何かが変わることがPRできていないと、申請段階で落とされるでしょう。

割と使い勝手の良い「小規模事業者持続化補助金」の場合は設備購入でなく、販売促進で補助金が出ます。ただ、この場合もチラシ配布なのか、ホームページ制作なのか、何かに支出することが必要です。

この場合も効果を出す販促でなく、支出のための販促になりがちですので、なぜ販促を実施するのか、どういうターゲットに何を訴求するのかを第三者が読んで分かるように書かなくてはいけません。

 

補助金、もらえるのはありがたいのですが、その分事務負担も増えますし、先だった支出が必要です。補助金に応募するのであれば、よく考えて申請した方が良いです。ご相談いただければ助言しますので、ご興味がありましたらお問い合わせください。

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、経営革新等認定支援機関の登録をしているビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

得意分野はフランチャイズの本部立ち上げですが、店舗ビジネスやスモールビジネスの成長をサポートすることでしたら、お役に立つことができます。

・創業時の創業計画、創業融資獲得

・店舗の収支改善、集客、多店舗展開・フランチャイズ

・資金調達のための事業計画、補助金確保、経営力向上計画、経営革新計画

特に得意なのはサービス業、リサイクルビジネスです。

このブログは情報発信のために不定期に書いています。

 

あとがき

ものづくり補助金、提携先の仕事がもうすぐ終わりですので、多少手が空きます。今からでも十分間に合いますので、ご興味がありましたらお手伝いいたします。