マクドナルドの復活で考える、飲食店の値上げ

テレビはオリンピックのニュースが中心ですが、マクドナルドの収支回復についても報道されていました。2017年12月期は純利益が前期の4.5倍で過去最高の240億円を計上したようです。

マクドナルドの復活

マクドナルドは老舗ブランドといっても良い位のハンバーガーチェーンではありますが、常に何かに挑戦している印象があります。かつては65円ハンバーガーを世に出し、100円コーヒーも元祖です。店舗ではいち早く無料の無線LANを解放し、滞在しても良い店舗になっています。

そして、業績は良いときと悪いときの差が激しく、その度に絶賛され、たたかれを繰り返しています。今回は2年前のチキンナゲット騒動で客離れが進んで不振店を閉鎖しましたが、その結果、残ったお店は好調のようです。

 

飲食店の値上げ成功例

円が安くなったり、海外でインフレ傾向にあるのに反して国内ではデフレ傾向にあることから、食材の価格は少しずつ上がってきています。

そのため、飲食店の多くはメニュー価格の値上げに動いていますが、納得してもらえる値上げと納得されない値上げがあるようです。

 

仕方ない値上げ

マクドナルドの復活の理由は、バリューセットと称するセットメニューの提供価格を引き上げていることだと感じています。

少し小腹が空いているときに、100円のハンバーガーとコーヒーを飲んだりしていましたが、今はメニューの脇に安いメニューは小さく書かれているだけで、多くの人はセットメニューを頼んでしまっています。高いメニューを買って貰おうという経営方針に沿って、現場でもセットメニューの販売に注力しているから、客単価の向上に貢献していると考えています。

一般的な飲食店でも下記の場合は容認されるでしょう。

・十分に努力をしているけどやむを得ない

・値上げに伴って、リニューアルを同時に行って高級感が出た

 

 

指示されない値上げ

値上げは基本的に嫌がられます。値上げの理由が示されないと消費者は気持ちが離れてしまいます。このようなケースではお客様が離れる可能性が高いです。

・あきらかに便乗値上げしている

・価格は一緒だが、食材費を削っている

 

飲食店経営の肝

飲食店はベースになる食材価格が上がっていますので、よほどの経営努力をしないと低価格で頑張るのは難しいです。そのため、街中の飲食店は値上げ傾向にあると思いますが、高値の理由を示すことが大事でないかと思います。

・基本メニューはそのままで、季節限定などを増やし、そこで利幅を確保する

・テーブルなどを綺麗なものに取り替え、店内の高級感を増す

・セットメニューを増やし、そこで利益を取る(マクドナルドのケース)

 

店舗に来てくれるお客様に選ばれている理由を分析し、「値上げ」と捉えられないように少しずつ上げていくことが重要ではないかと思います。マクドナルドは600円位だったセットメニューが700円を超えてきています。みなさん、仕方ないという反応のようで、そのあたりはマクドナルドがヘビーユーザーに上手くPRすることができたのだと思います。

マクドナルドの復活、大いに学ぶことがありそうです。

 

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、経営革新等認定支援機関の登録をしているビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・創業:創業資金を確保するための事業計画を作りたい

・新事業挑戦:新しい事を始めるための計画を作りたい。事業評価を行いながら失敗しないように取り組みたい。補助金や融資など、これからの事業に必要な資金を調達したい

・多店舗展開、フランチャイズ:これから事業を大きくしていきたい。組織を急拡大したい

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。まずはご相談だけでも問題ありませんので、お気軽に問い合わせていただければ。何らかのヒントはご提供できると思います。

 

あとがき

この3連休は外部のセミナーでした。考えてみれば、11月の飛び石連休で旅行して以来、祝日は何だかんだで仕事しています。