事業再構築補助金は2回目まで申請が終わって、現在は3回目の公募中です。まだ1回目の申請結果しか出ていませんが、これまでサポートしてきて、通りやすい(実際に通った)申請には傾向があるように感じております。これから申請する際の参考にしてください。
補助金申請にはストーリーが必要
補助金は、必ず補助金事業の「目的」と「審査項目」が公募要領で明記されています。公募要領を良く読むと、どういう事業者に補助金を活用して欲しいのか、どういう点を審査するのかが書かれています。補助金事業を予算化している中小企業支援担当者の意図を組んで申請書を作成する必要があります。
事業再構築補助金の目的
(上記イメージは、公募要領P7のまま)
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、当面の需要や売上の回復が期待し難い中、ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的とします。
→当面は新型コロナウィルスの影響で売り上げ回復が見込めないこと、思い切った事業転換に取り組むことが必要です
ものづくり補助金の目的
中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行い生産性を向上させるための設備投資等を支援する。
→革新的な新しいサービスの開発、生産プロセスの改善による生産性向上が必要
→設備投資を支援する補助金(設備投資が必須)
→働き方改革や賃上げにつなげる必要
事業再構築と判断してもらうためのストーリー
ストーリーがあると、読み手である審査員が分かりやすくなり、申請書の内容に共感してくれます。事業再構築補助金の場合は以下3点を分かりやすく伝えます。
1.思い切った事業転換
事業再構築補助金について問い合わせがとても多いですが、「思い切った転換」の前提として、新型コロナウィルスの影響で本業の売上が大きく落ち込んでいること、コロナウィルスの影響で生じていることを示す必要があります。たまたま売上が落ち込んでいて、売上10%ダウンといってもあまり説得性がありません。
事業者の努力ではどうにもならないことが起こっていて、事業を継続するためにやむを得ない取組と感じてもらえるよう記す必要があります。
なお、単なる新事業への取組ではなく、メインの事業から新事業に重点を置くような計画でないと「思い切った転換」にはならないでしょう。
2.成功を確信できるか
思い切った転換をしてみて、やっぱりダメでしたとなれば、事業者にとってダメージが大きいです。新事業に取り組む場合、通常なら10に1つ位の成功確率でやむを得ないのですが、メインの事業が落ち込んでいる中ですので、少しでも成功確率を高めたいのです。
そうはいっても新規事業でやってみないと分からないところもあるかと思いますが、新しい事業の業界動向や実際に事業を始める場所での競合の動きなどをしっかりと調べ、どういう商機があるのかを示す必要があります。そのためには、どういうサービスや商品が求められているのかという、「(想定される)お客様の声」的なものがあると良いでしょう。
→ものづくり補助金では、実際に既存取引先から「・・・という要望がある」的なことを書きますが、事業再構築補助金の場合は、新しい市場への進出が求められるので、既存取引先からの要望としては書くことができません
3.ビフォーアフターを意識して説明する
今までの事業で成功できていたのは理由があり、それを「強み」として強調します。しかし、withコロナの状況では「強み」があっても乗り越えるのが困難であり、業界そのものが揺らいでいること、そのため、withコロナでも「強み」を活かして生き残りのために頑張って活路を開くということを説明します。
事業再構築補助金のサポート、当社の場合
事業再構築補助金は過去2回公募がありましたので、さすがに問い合わせも落ち着いてきましたが、これから申請してみたいということでしたら、是非お問い合わせください。
問い合わせいただき、補助金に該当しそうという判断になれば、お手伝いしますが、以下の流れになります。
サポートの流れ
・問い合わせ→ヒアリング→ラフ案の作文(申請書をざっと作成)→何回かやり取りして修正
作文というと怪しまれるのですが、1から10までヒアリングして確認するのではなく、「1を聞いて、当方の理解の範囲で事業計画を書いてみる」ということです。これまで創業支援や新事業展開など、様々な場面で事業計画の作成をサポートしていますので、それなりにリアリティを持った内容として作成してご提示します。
ヒアリングで確認することの例
・既存事業の状況、今までお客様から評価されていた点(強み)、どうして売上が落ち込んでいるのか
・新規事業として検討している内容、どうしてその事業に着目したのか、どの位の規模で行うのか、どういう投資が必要なのか
・どのようなスケジュールと体制で実施していくのか
追って、資料などをいただきますが、お話としては30~60分もあれば大丈夫です。そもそも新しい事業で未知のことが多いでしょうから、詳細をお聞きするというよりも、一緒に考えていくスタンスになります。
必要な期間
1回目の申請時は締め切り3週間前に引き受けて2週間で申請書が完成したことがありました。余裕持って申請するのは最低3週間は必要で、できれば1か月前にはお引き受けしたいところです。
今後の公募予定
今回の3回目以降も残り2回あると公表されています。
→年内締め切り(11月末あたり)でもう1回、年明け締め切り(2月末あたり)になるかと思います。
ご興味ありましたらお問い合わせください。