自分は職業柄、様々な会社の決算書を見てきていますが、自分自身が決算を迎えてみて、税引き後の利益を出すことの意義を改めて考えました。
税引き後利益
会社を経営していると、売上から費用を引いた「営業利益」だけでなく、利払いなどの費用である営業外損益を加味した「経常利益」、その他特別に発生した利益や費用を加味して純利益(純損失)に留意する必要があります。1年目は会社設立に30万くらいかかりますし、ホームページを作るケースが多いです。営業基盤を構築するのに費用がかかりますので、利益を出すのは大変なことです。
そして、純利益に対して課税されますので、税金分を上回る純利益が出ていないと税引き後の利益は出せません。東京23区の法人には均等割で7万円課税されますので、税引き後も利益を出そうと思うと、10万円位の純利益が必要です。
黒字を出すことの意義
1年目はいろんなことに費用が出てしまうし、営業基盤も確立されていないので、赤字でも仕方ないという考え方もあります。ただ、赤字になれば、純資産が目減りします。自分の場合は資本金150万円で会社にしましたので、赤字を出せるのは最大で150万円です。150万円を切ると借入などで補う必要があります。金融機関か経営者から借入して補填しないと理屈上は資産がマイナスになってしまうので、手元現金がショートすることになってしまいます。
赤字を出せば、損失分は翌年以降に持ち越せますが、決算書は会社の通信簿だと思います。巨額の黒字を出す必要は感じませんが、最終黒字という形で終わることは大切なことでないかと感じています。
今回の調整事項
普段の収支(売上−費用)で営業利益は把握していたのですが、最終的には決算整理として資産の減価償却があり、その部分で調整が必要でした。個人事業のときは毎月同じ金額を減価償却費にする「定額法」で計算していて、今回もそのつもりだったのでした。ただ、法人の場合は、一定の割合で償却する「定率法」がデフォルトになるようです。初年度ということもあって、いろいろと購入しましたので、この方法だと赤字になってしまいます。そのため、税理士さんにお願いして「定率法」を適用する旨、申請してもらいました。
定率法だと、高額な資産を買ったときにすぐに費用化できるというメリットもありますが、そもそも自分一人でやっているビジネスに大きな黒字は見込んでいません。むしろ、自分で簡単に計算できる定額法の方が分かりやすいです。
個人事業でやっているときには、確定申告は作業でしか無く、申告に行く前の週に領収書をペタペタ貼りながら会計ソフトに一気に入力していました。会社組織にしてから毎月税理士さんと打ち合わせしていますので、常に直近の数字を見ています。最終的に黒字決算にすることができて良かったです。
◆自己紹介
私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。
・これから創業したい
・フランチャイズに加盟してみようかと考えている
・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい
こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。
あとがき
今日は雪が降ったらどうしようかと思ったのですが、金融機関に行く必要があったのでそのまま事務所に行きました。雪はぱらついていたものの、積もらず良かったです。