お金を貯めることについては、得意な人と苦手な人がいます。実は、私も貯金するのが苦手です。ただ、創業するときには貯金が必要になりますので、あの手この手で貯められるよう頑張らなきゃなりません。
貯金が必要な理由
創業の時にはお金を借りることができます。創業支援の政策によって、政府系金融機関である日本政策金融公庫では無担保、無保証人での融資枠もあります。それでも、自己資金0では借りるは難しいでしょう。
金融機関にとって、創業したばかりの人にお金を貸すことにはリスクがあります。本当に融資を返済してくれるかどうかについては、創業計画から判断される事業性と、経営者の「人となり」を見るしかありません。その中に「お金に対する考え方」が含まれます。つまり、創業するまでにどれだけ計画的にお金を貯めることができたのかという点が、お金に対する信用力として評価されるのです。そのため、ある程度の資金を貯めておかないと、事業に対する真剣度合いが足りないという判断になってしまうのです。
どのくらい貯めればよいのか?
どのくらいという目安はありませんが、借り入れと自己資金の割合が半々、多くても2対1で、自己資金で3分の1位は用意した方が良いでしょう。また、事業資金と自分自身の生活費は別で、スタートして半年くらいは収入0と見ておかなくてはなりません。
仮に、創業時に1500万円必要であれば、最低でも500万円は自己資金、加えて生活費で200万円くらいは必要になります。退職すると、節約につとめても社会保険料がかなりの金額になりますので、「お金使わないから大丈夫」とは思わないでください。
お金を貯めるには
冒頭に書いたように、私も貯金が苦手です。会社員時代の収入が低くて貯金する余裕がなかったというのもありますが。ただ、貯金の法則というものはあります。
「貯金=手取り収入−支出」
シンプルですが、これしかありません。
支出については無駄なものをけずり、その分を貯金に回します。何をもって無駄とするかは人によって違うでしょうが、通信費や交際費、外食費用などは削減の余地がある人が多いのではないでしょうか。シングルの人については実家を活用することも可能かもしれません。
ただ、節約に徹するだけでは生活の質が下がってしまい、起業するのに必要な情報収集も疎かになってしまいます。そこで、家族としての収入を増やすことが考えられます。奥さんがいれば、奥さんにパートに出てもらって世帯収入を増やすことができますし、可能な範囲で副業をするというのもあるでしょう。
週末の空いている時間に身体を使うか、頭を使うかすることで、いくばくかの収入を得てみると、創業してからのお金の苦労が一層理解できると思います。
私は資格を取るための学校に行っているときに、授業の運営スタッフのお仕事をさせてもらい、わずかですが収入がありました。資格を取った後は文章を書かせてもらう他、先輩コンサルタントのお手伝いをさせていただいて、多少の収入がありました。独立してしまうと、生活があるから安い金額の仕事はできませんが、会社員で収入があれば、金額に関わらず仕事することが出来ます。
お金のことは、立ち上げのときも、商売が大きくなったときも悩みの種です。会社員は十分とはいえなくても安定してお金が入ってきますので、その点は恵まれています。敢えてリスクを取って起業するからには、お金のことも勉強のうちととらえて苦労してみてください。