異業種コラボ〜介護業界の人手不足を補う策

介護業界大手のツクイと警備大手のセコムが、24時間体制で高齢者の見守りを行うサービスを行うという報道がありました。介護業界は慢性的に人手不足ですので、この提携は妙案だなと感じました。

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セコムが介護大手のツクイと連携

ツクイはデイサービスや訪問介護のサービスを提供しています。いずれも、介護を必要とする利用者は在宅であり、必要に応じて自宅から施設に通ったり、介護してくれる人が自宅に来てくれるサービスです。ただ、介護については週に何回か行けば十分ということはありません。本来は施設で24時間見て貰いたいというのが家族の本音です。セコムは夜間を中心に高齢者からの緊急連絡を受けて自宅に警備員を派遣するという役割を担います。

 

介護と警備がコラボする意味

ツクイの顧客は全体で44,000人になるそうです。これだけの利用者がいれば、夜間に何かが起こる可能性は十分になります。ただ、自社で夜間対応も行うというのは無理な話です。通所介護は昼間だけの預かりですし、訪問介護も昼間に伺うのが基本です。24時間対応となると、従業員の心が休まりません。介護業界は慢性的に人手不足にありますので、自社だけで対応することは困難といってよいでしょう。

一方、警備会社はトラブルが起こるのは昼も夜もありませんので、夜間にも対応できる体制があります。不審者の侵入などに備えたパトロールの体制はありますので、見張る対象が増えたと考えれば、既存事業との相乗効果が働きます。

しかも、今回の提携で、セコムのサービスは月1,800円と割と利用しやすい価格です。私自身が介護を必要とする親がいましたので、この金額であれば、利用しやすいと感じます。本当に心配ならば同居すれば良いのですが、実際に同居するのが難しいという事情は多くの家庭に共通するものだと思います(私の家がまさにそうでした)。介護を依頼する家族(子供世帯)にとって、月1,800円という金額は「罪滅ぼし」として払いやすい金額です。

 

高齢者、介護というキーワードで一括りにしてしまいがちですが、実際にどのようなニーズがあるのかは家庭によって様々です。ただ、実際のサービスについてはケアマネージャーさんにお任せになってしまいますので、介護をしてくれる事業者のことはそれほど理解しないでお願いしてしまいます(9割が介護保険負担なので、それほど調べずにお願いしました)。自分の父の時にこのようなサービスがあったら、デイサービスはツクイ、警備はセコムとセットでお願いしたと思います。

 

私、山下哲博は調査とフランチャイズを専門分野とする、小規模事業者のビジネスサポーターです。創業やフランチャイズを含む多店舗展開、店舗の売上向上など、サポートしている他、業界全体を俯瞰してトレンドを整理する市場調査を得意としています。介護業界については、フランチャイズの本部作りと資金調達のお仕事をさせていただきました。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

 

あとがき

この週末はF1の鈴鹿グランプリ。日本人ドライバーがいなくて寂しいのですが、テレビ観戦するのを楽しみにしています。