中小企業の選択:売上を取るか、利益を取るか→利益優先が正解

中小企業の戦略として、あれもこれもという選択はありません。儲かるところ、自社の強いところに集中し、利益を確保するのがセオリーです。

中小企業の戦略

中小企業は規模において、大企業に比べて劣ります。規模が大きくなればなるほど、様々な経費を全体で均すことができますので、コスト競争力で優位に立ちます。例えば、自分は1人でオフィスを借りていますが、2人、3人と多くなれば売上額が大きくなるので、オフィス経費は全体の中では薄まってきます。

コストでは競争力に乏しい中小企業は品質であるとか、サービス内容等で他社との差別化を図るのがセオリーになります。

 

売上を取るか、利益を取るか

企業経営で重要なことは売上の最大化でなく、利益の最大化です。そんなことは当たり前なことなのですが、中には意味のある「売上拡大」もあります。大きな会社との継続的な取引を期待して、最初は安く受注して、その後適正な価格を提示していくという戦略もありますが、ずっと利益を取れないままであれば取引を見直すべきです。

 

大企業との取引が必ずしも良いことではない

先日相談を受けた会社では、「1ドル=80円」の時の価格で契約を締結し、その後、為替変動を反映して欲しいとお願いしても全く応じてくれず。時には、急ぎのオーダーで航空便で海外から取り寄せることもあり、航空便だと粗利が出ずにマイナスだということです。

更に、支払いサイトが150日の設定で、品物は海外の代理店から購入していて90日のサイトになり、売上が増えれば増えるほど資金繰りが苦しくなります。それでも、誰でも知っている大企業からのオーダーなので必死にこらえているという構図でした。

相談されましたので、「そんな取引は切ってしまえば、仕入の倉庫代、商品を発送している従業員の時間、仕入に必要な運転式がが全部浮くので、他の案件をどうやって取るかを考えるべき」と助言しました。

 

中小企業はやることを絞る

中小企業には経営資源が限られます。人がいないし、仕入などの資金も限られます。従業員だって、同じような条件であれば大企業で働く方を選びます。そのため、冒頭にも書きましたが、ターゲットをしぼり、ターゲットに何を提供するのかを徹底的に考えるべきです。

そして、人手が必要だったり、利幅が薄かったりという事業であれば、すぐには辞めないにしても、替わりの仕事を取れるよう取り組むべきです。

冒頭の仕事、年間3千万の売上になるようなのですが、粗利がほとんど取れていないとのこと。相手がどうしても条件変更を受け入れないのであれば、そんな仕事は段階的に撤退するべきです。売上の大幅減少になるかもしれませんが、利益はほとんど変わらず、従業員には余裕ができます。

従業員は仕事を選べませんので、仕事を選別したり、条件交渉するのは経営者の仕事です。第三者の眼でアドバイスできると思いますので、一緒に事業計画を作成しましょう。ご興味ありましたらお問い合わせください。

 

◆自己紹介

私、山下哲博は、これから創業する方、少人数でビジネスをされている方に特化したビジネスコンサルタント(中小企業診断士)です。

・これから創業したい

・ひとりビジネス〜3,4名程度の事業主で相談相手が欲しい

・フランチャイズに加盟してみようかと考えている

こんな方に役立つよう、自分の仕事の中からヒントになるものが有ればよいとブログを書いています。

 

あとがき

今朝はテレビを付けたらミサイル騒ぎ一色。来年の平昌オリンピックは本当にできるのか心配です。