FC本部は開発体制を整備せよ(FC本部が最初に必要なモノ⑦)

こんにちは。FCコンサルタント・山下です。2014年度の最後の日ですね。あちこちで送別会を兼ねたお花見があるのでしょうか?

フランチャイズの本部を立ち上げるためには、様々な手順があり、店舗を広げていく過程では「あれもない、これもない」という状態になりがちです。ただ、私たちコンサルタントが依頼を受けた際に、これだけは必要というものがいくつかあります。何回かに分けて順に挙げていきます。

FC本部に必要なモノ:⑦開発体制

FC展開しようと思い立った以上、ある程度は「FCをやってみたい」という見込みのお客様がいらっしゃることでしょう。ただ、FCは5店舗や10店舗ではなく、30〜50店舗以上に広げていくことを想定して始めないと、途中で行き詰まってしまいます。そのため、最初は小さな規模で始めますが、途中で大きくすることを想定して開発体制を設計した方が良いでしょう。

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開発のルート

・初期:知り合い、取引先、従業員
・中期:セミナー、FCイベント
・拡大期:加盟店の増店、加盟店からの紹介

FCの店舗開発には大きく3つの段階があると思います。初期、中期という分類にはそれほど大きな意味はありません。ただ言えるのは、最初は周りの知り合いくらいしか加盟するところがないだろうという点と、拡大していく段階になれば、加盟店が2号店、3号店を出すようになり、出店ペースに拍車がかかるということです。もちろん、最初からセミナーで開発していくこともありますし、ある程度大きくなってから従業員ののれん分けも発生しうることです。

初期については、よほど知名度の高い会社や経営者でない限り、普通は周囲に声かけをしてFCという位置づけで出店してもらうようになるでしょう。本来は、直営店を2〜3店舗運営してみて、それが上手くいったらFCを募集するというのが手順です。ただ、直営の運営と平行して、従業員に経営が軌道に乗ったらのれん分けするという条件でプロジェクトをまかせる、立て直しを依頼された店舗にスタッフを派遣して、FCと同じ業態にして収益が出る状態にするなど、FCのスタートはいろいろなパターンがあります。

実績のないFCには誰も入ってきませんので、最初の3店舗位までは、経営者が直接話をできる範囲で見つけて実績を作った方が良いでしょう。

何店舗かFC運営といえる状態になったら、自社セミナーやフランチャイズショーなどのイベントで加盟開発ができる状態になります。理想はホームページを見て、自社セミナーに誘導するのが良いのですが、通常はセミナーを企画しても誰も見てくれないでしょう。そのため、フランチャイズ関連のイベントに出店してじわじわと知名度の拡大を図ります。

FC募集のためのwebサイトを構築し、リスティング広告などで興味を持っている人を誘導しても良いでしょう。

そして、FCとして実績を上げてくれば、FC加盟店自体が増店を検討するようになります。資金力に余裕のあるFCであれば単月黒字が何ヶ月か続いたら次を検討しますし、資金力にそれほど余裕がなくても、投資分を回収できれば増店を検討します。FCビジネスの鍵は加盟店オーナーとの信頼関係を構築することですので、FCオーナーと共にチェーンの発展を目指しましょう。

なお、上記の「開発のルート」には記しませんでしたが、「開発代行」を手がけてくれる事業者もあります。任せれば自力では見つけられないような相手を紹介してくれます。
ただ、あまり急速に店舗が広がると自分たちではコントロールできなくなりますし、後々でトラブルになったときに、開発代行事業者のオーバートークによって「言った言わない」の関係になる可能性があります。
店舗開発の有力な手段であることは確かですが、使う場合には、加盟者を最終的に選ぶのは本部であること、本部からの説明が正しい内容であることを徹底しておいた方が良いでしょう。

まとめ

・初期の信用が無い状態は経営者の周辺から加盟先を見つける
・いくつか実績ができたらセミナーやイベントに出展。ホームページを作り、検索で出てくるようにする。
・早い段階で加盟したFCは、自分たちの実績が良く、伸びる本部だと判断したら増店の要望が出てくる。双方、Win-Winの関係を作ろう

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。