店舗ビジネスで軌道に乗った経営者が考える「フランチャイズ展開」。
メリットも大きいのですが、同じ屋号で営業する権利を与えてしますので、
無計画に募集すると後で大変なことになります。
何回かに分けて、フランチャイズ展開の手順をまとめてみます。
フランチャイズ本部づくりについて
フランチャイズ展開をする上で、その「受け皿」となる本部組織が必要です。
直営展開していても、全体を統括するマネージャーを置くかと思いますが、
フランチャイズ展開に特化した人員を置く必要があります。
フランチャイズ事業に関する前提
フランチャイズ本部ですが、拡大を目指さないのであれば組織を作らなくても良いのですが、
それだといつまでも直営店のおまけのような位置づけで大きくなりません。
直営店の中に2,3店舗のFCがあるような状態ならそれでもOKですが、
10店舗、20店舗と広げていきたいと考えるなら、直営店とは意思決定を分けた方が良いです。
フランチャイズに特化した組織
フランチャイズは「共通の理念」を持ち、同じ屋号を使って商売していくものの、
店舗の運営主体は他所の会社です。
本部は加盟店からロイヤリティをいただきますし、直営店も展開していきますので、
加盟店とは利益相反する点も出てきます。
加盟店からのロイヤリティを増やせば、本部は儲かりますが、加盟店は利幅が少なくなりますし、
本部が好立地に店舗を出せば、加盟店サイドとしては好立地を失うのです。
したがって、加盟店視点で店舗展開をしていくためにもフランチャイズ本部と直営店の命令系統は分けた方がスムーズです。
フランチャイズ本部に必要な機能
最小限必要なのは、開発営業、管理、指導です。
開発営業は加盟店の募集をして、フランチャイズ契約を獲得します。
管理は加盟店が守るべきルール(契約書など)を守ってもらうよう努め、加盟店からロイヤリティを徴収します。
指導は店舗運営のノウハウを伝えると共に、加盟店の店舗を回って店舗の在り方を監督します。
その他、お客さんの集客指導などもありますが、それは直営店も同じ課題がありますので、
フランチャイズ本部として分ける必要はありません。
フランチャイズ展開の目標と計画
フランチャイズに特化した組織を作る以上は目標を設定して、
目標達成に向けた計画を作る必要があります。
フランチャイズは他人の資本(お金や人)を使えるという特性がありますので、
営業が上手くいけば一気に加盟店を広げることができます。
ただ、自社のことではないので、熱を入れて取り組まないと後回しになってしまいます。
計画の重要性
フランチャイズは加盟時に「加盟金」という形でまとまったお金が入りますが、
加盟店が適切な運営をしているかを管理するには一定のコストがかかります。
したがって、店舗数が少ない時はフランチャイズ事業単体では赤字になってしまいます。
最初は本部スタッフは直営と兼務にするなど経費を節減するにしても、
どこまでコストを許容できるのか、いつ時点で収入がコストを上回らないとまずいのか
予め見越しておいた方が良いです。
本部づくりを行わずに、フランチャイズを始めると・・・
成り行きでフランチャイズを始めて、フランチャイズ事業が収益を産み出さない
ことが分かると、フランチャイズ事業を放置する事業者もあります。
そうなると、加盟店は本部の指導不足から気持ちが離反していきます。
加盟店が契約の解除を求めてトラブルになり、裁判沙汰になるケースもあります。
したがって、専らフランチャイズ事業の拡大を目指すための「本部」を作り、
冷静に「加盟金以外」で本部収益になるのか、本部スタッフの人件費や活動費用を
賄えるのがどの時点なのかをきちんと計画する方が良いです。
組織と機能、目標と計画など、どうあるべきなのかを検討し、
フランチャイズ事業の「あるべき姿」を描くと良いでしょう。
過去の参考コンテンツ
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