モデル店舗づくりがフランチャイズ本部の第一歩(FC本部向け実践知識①)

あなたのビジネスを20店舗、50店舗と広げていくのに、フランチャイズは非常に有効な方法です。自前の店舗を広げていくとなれば、店舗を作るのに必要な費用、働く従業員の雇用と、多くの費用と時間を費やさなくてはなりません。

ですが、何事も最初の一歩というものがありますので、今回はモデル店舗作りについて書いていきます。

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FC本部向け実践知識:①モデル店舗を作ろう

モデル店舗はこれから広げていく店舗の原型になるものです。モデル店舗と似た意味合いで理解されているのが旗艦店(フラッグシップ店舗)ですが、初期のFC本部に旗艦店は必要ありません。

旗艦店はモデルというよりもデラックス店舗というか、チェーン全体のブランド価値を上げるためのものです。銀座や原宿といった一等地にファストファッションの店舗がありますが、地価を考えたら、1店舗では採算取れない店舗です。こういう店舗も将来的には必要かもしれませんが、これから店舗を広げようという段階では必要ありません。

理想は、3店舗2年間の実績が欲しい

モデル店は、FC展開していく上で、本部が情報開示する収支モデルのベースになるものです。できれば、駅前、駅ビル内部、郊外ロードサイド、郊外ショッピングセンターなど、複数の立地が合った方が良いでしょう。FCを検討する方にとっては、どういう立地に店舗を出せば何ヶ月で単月黒字になるのか、投資を回収し終わるのにどの位かかるのかをFC加盟の判断材料にします。

実際は、出店する場所や店舗の従業員によって売上は変動するのですが、FCに加盟して開業していくための資金調達のために、事業計画を作成することが求められますので、本部が実際に運営してみた時の結果が必要になってくるのです。

したがって、モデル店舗の使命としては1ヶ月でも早く黒字化すること、そして、投資した分の累積利益を出すことになります。

店舗を運営しながらマニュアルを作りたい

モデル店舗の使命はもう一つあります。それは、運営しながら業務運営のマニュアルを充実させていくことです。通常、新入社員が入ってきたら、その人を戦力化するための教育プログラムがあるはずです。教育の多くを現場で覚えてもらうOJTであったり、店長が自分のやり方で教えていたりと、状況は様々でしょうが、何か仕組みがあるはずです。

その仕組みを店長が抱え込むのではなく、本部とも内容を共有化するために、文書や写真にしていくことが必要です。そして、モデル店の中でマニュアルを使っていくことが肝心です。

 

マニュアルの見栄えに凝る必要はない

なお、マニュアルはきれいに作る必要はありません。店長が普段使っているもので良いのです。以前、ご指導させていただいた会社で、現場で作ったマニュアルに社長からストップがかかりました。どうしてストップなのか何もコメントがないまま1ヶ月たち、マニュアルを作ってくれた人は落ち込んでいました。

仕方ないので社長に理由を聞いたら「ビジュアルがしょぼいから。外部のデザイナーに発注してからにしたい」とのこと。

現場の店長はデザインの専門家ではありませんが、ワードやエクセルの表、写真を使って、必要なことが分かる内容になっていました。通常はこれで十分です。そもそも、外部のデザイナーに毎回発注するのは非現実的です。それよりも内容の分かりやすさ、具体性、ビジュアルでの説明が重要です。

外部向けのチラシは見栄えが重要ですが、マニュアルは実務に即した内容であれば十分です。

 

まとめ

・FC展開する上で最初に必要なのはモデル店舗です。これから広げていく店舗の原型になります。最初の投資額、実際の収支の推移などが、FC加盟を検討されている方にとって、非常に重要な検討資料になります。

・できれば、3店舗(3つの立地)、2年間(投資回収のペースを判断)の実績が欲しいところです。直営店1つだけのデータだと「まぐれ当たり」もありますので、慎重にデータを取りましょう

・モデル店の運営をしながら、マニュアルを作りましょう。店長の従業員教育を文章や写真で残していきましょう。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

(編集後記)

昨日は24人ほどの人と懇親会がありました。福島や福岡など全国各地から集まって一つのことを学びます。単に学ぶだけではなく、人と刺激し合って自分も触発されそうで楽しみです。